『秋本治の仕事術』「こち亀」40年間休載しなかった秘密!【書評5】

書評5秋本治の仕事術 ビジネス・自己啓発

こんにちは、プロ家庭教師のひかるです。

ドラゴンボール、幽遊白書、スラムダンク、るろうに剣心、ジョジョの奇妙な冒険…

ジャンプ漫画にどっぷりハマった小・中・高時代を過ごしました。

ジャンプって人気が出ないマンガは容赦なく打ち切りにして、けっこう入れ替えが激しいですよね。

そんななか40年間休載することなく連載し続けたのが、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下『こち亀』)!

今回は、『こち亀』の作者である、

『秋本治の仕事術』

をレビュー・紹介します。

『こち亀』は40年間休載することなく、単行本200巻を販売し、アニメ化・ドラマ化もされました。

そんなレジェンドの仕事術を学んでみました!

『秋本治の仕事術』はこんな本

タイトルの通り、秋本治先生自身が仕事のノウハウをまとめた本です。

40年間1度も休載することなく、週刊誌で連載を続けた秘訣が書かれています。

『こち亀』の主人公と言えば、豪快で型破りな「両津勘吉」ですね。

「秋本治先生も、両さんみたいな人なんかな?」と思う人もいるかもしれませんが、文章からにじみ出る人柄は全然違います。

この本の最後には、2ページだけの描き下ろし漫画『両津勘吉の仕事術』が収録されていて、中川と麗子がこんな会話をしています。

中川「先輩はいいかげんな性格だから 作者もいいかげんに描いていると思っていたらしくて そしたら〆切は守る 時間は守る スケジュール管理するわ…で」

麗子「両ちゃんと真逆よね」

『秋本治の仕事術』より引用

キャラクターにそう語らせるくらい、秋本先生はきっちりとされて謙虚です。

行き当たりばったりの仕事観では、40年間休載なく、週刊誌で連載し続けることなんてできませんよね。

目次・章立てはこんな感じです↓

  1. セルフマネジメント術
  2. 時間術
  3. コミュニケーション術
  4. 発想術
  5. 健康術
  6. 未来術
『秋本治の仕事術』より引用

堅苦しいビジネス書・仕事術ではなく、秋本先生が穏やかな口調で話しているように書かれています。

とても読みやすいので、ふだんあまり読書をしない人にもおすすめです!

秋本治先生が40年間休載せずに『こち亀』を書き続けられた秘密

秋本先生が40年間休載せずに走り続けた理由を、私なりにまとめると次の3つになります。

  1. 常にストックがあった
  2. マンガを描くのが好き
  3. 好奇心が強く謙虚な性格

書いてしまえばシンプルなんですが、超人です!

もうちょい詳しく紹介しておきます。

常にストックがあった

予想通りではあったのですが、秋本先生は常にジャンプ連載用のストックを蓄えていました。

漫画家は「描く」だけが仕事ではありません。

取材に行き、アイディアを出し、担当者と相談し、アシスタントに仕事を任せる。

また、漫画家にも休みは必要ですし、急な読切が入ったり、体調を崩すこともあるでしょう。

そんなときにストックがあるからこそ、余裕を持って対応できるとのことでした。

  • 作品のストックがあれば、目先の〆切は気にせず、十分な時間をかけて凝った話に取り組むことができます。
  • スケジュール管理さえきちんとできていれば、想定外の事態が発生しても慌てずに対処できるし、突然の思いつきもすぐに実行できたりするのです。
『秋本治の仕事術』より引用

読者がジャンプで「こち亀」を読んでいるときには、秋本先生はもうすでに数週間先の「こち亀」を書いてたんですね。

ストックを持って仕事をすることは、漫画家だけでなく、どの仕事でもメリットは大きいでしょう。

管理人ひかる
管理人ひかる

富樫先生!
HUNTER×HUNTERの続きをなんとかお願いします!(土下座)

また、ストックを抱えて仕事をすると、精神衛生にも良いです。

必ず連載マンガのストックを持つようにしていましたから、どんなときも〆切が目前に迫って焦ることはありません。そうした時間的余裕があると、精神的余裕も生まれます。多少面倒くさいコマでもイライラすることなく、楽しく描けるのです。

『秋本治の仕事術』より引用

仕事に追い詰められてイライラしている上司って、見たくないですよね…

どっしり構えて、部下が報告・連絡・相談に来たときに、余裕を持って対応できる大人になりたいものです。

マンガを描くのが好き

セルフマネジメントをきちっとされている秋本先生ですが、「マンガを描くのが好き」ということが根本にあるようです。

というよりも、好きじゃないと40年間も書き続けられません

秋本先生自身も、次のように語っています。

アニメーター時代から漫画家時代を通して、仕事を苦痛だと思ったことは本当に一度もないのです。

『秋本治の仕事術』より引用

もちろん40年も描き続けていたのですから、大変なできごともあったはずです。

それでも「苦痛」とは思わず、好きだから「こち亀」を描き続けていたとは…

仕事をイヤイヤしてして、月曜日が来るのが苦痛な人にしたら、

ねこちゃん
ねこちゃん

信じられへん…

感覚かもしれません(笑)

秋本先生は「こち亀」の連載を終えた後も、マンガを描き続けています

秋本先生にとって、漫画家という仕事は天職なんでしょう。

好奇心が強く謙虚な性格

いくら漫画を描くのが好きだとは言え、ネタ切れせずに描き続けるのは至難のはず。

また、本人がいくら描きたくても、人気がなければ打ち切り!という厳しい世界でもあります。

でも、秋本先生は40年間アイディアを切らさず、人気も保ち続けたんです。

世の中はどんどん変化しますから、新しいことに対する興味は尽きることがありません。100巻目あたりから、『こち亀』の中にもどんどん新しいものを落とし込むようになりました。

『秋本治の仕事術』より引用

車や電子機器、最新のおもちゃなどが『こち亀』にはよく登場していました。

「マンガを描くのに忙しいはずなのに、多趣味な人なんだな」と当時ジャンプを読みながら思っていました。

自分が社会人になって子育てしてみると、いろいろなことに興味を持ち続けるのが難しいと痛感…

両さんと秋本先生の性格は真逆だ、とさきほど紹介しましたが、好奇心の強さはそっくりなんだと思います。

また、秋本先生って、売れている他の漫画家のことを「羨ましい」と感じることがないそうです。

仕事のできる先輩がいれば「あの年になったら、あのぐらいになれるようにがんばろう」と思い、年下で仕事のできる子が出てきたら、応援して仲間になる。

『秋本治の仕事術』より引用

いやぁ、そんな心の広い人間になってみたい…

ブレイクした人を見たら、普通は妬みますよね…

また、後輩の漫画家やアシスタントにもていねいに話しかけるよう心がけているとも書かれています。

どの業界でも一流の人って、人間的にも一流なんですよね。

『秋本治の仕事術』からアウトプット3つ

仕事は違えど、秋本先生の仕事術から学べることはたくさんあります。

この本を読んで、個人的にアウトプットしてみた、行動に移したいことをまとめておきます。

  1. 規則正しく仕事をする
  2. 始まったらただ仕事をするだけ
  3. 常にインプットを続ける

の3つです。

規則正しく仕事をする

漫画家って昼夜逆転していたり、不摂生なイメージがあります。

でも、秋本先生は規則正しく仕事をしています。

勤務時間は9時から19時までと定めていて、昼と夕には食事のための休憩時間が1時間ずつ。残業はなるべく少なく、そして哲也はしないという方針で勤務してもらっています。

『秋本治の仕事術』より引用
ねこちゃん
ねこちゃん

超ホワイト!

これって、私みたいな自営業の人間にとっては、すんごいことなんですよね。

会社勤めしていると就業時間が決まっていて、時間通りに働かざるを得ません。

でも、自営業だと拘束力が働かないので、仕事をするのも自分次第、サボるのも自分次第

規則正しくペースを守り続けたことも、秋本先生が長期連載を続けられたことの一因になっているはず。

始まったらただ仕事をするだけ

秋本先生は、机の前に座ったら、ひたすら手を動かして描くんだそうです。

それは机の前に座る段階で、やることが決まっていて、進めるイメージもできているということです。

僕は、担当編集者と打ち合わせして方向性が決まったら、どういうネームにしようかと考えはじめます。そして机の前に座る段階では、頭の中はすっかり準備ができていて、プロットもほぼまとまっている状態です。だからやることといえば決まっています。目の前の白い紙に、それを描くだけなのです。

『秋本治の仕事術』より引用

私はプロ家庭教師をしていますが、勉強が得意な子は机の前に座ったら、すぐに勉強をスタートできます。

一方、勉強が苦手な子は、机の前に座ってから「さて、何しようかな」と考え始めます。

その結果、行き当たりばったりの形だけの勉強をして、効果が出ません。

私自身も、授業前のプランや準備を大切にしています。

そして、子どもたちの前では、ただプラン・準備をしてきたことを授業で発揮するだけ。

授業が始まってから「ええっと…」と悩んでいるようでは、子どもたちやご家庭からの信頼を失ってしまいます。

常にインプットを続ける

個人的に、昨年はアウトプットばかりしていた年でした。

それはそれで充実していたのですが、インプットがなく、前に進んでいる実感がなかったんです。

なので、今年はインプットすることを目標に掲げました。

その一環でこのサイト『トートに本をしのばせて』を作り、本を読んでインプットする状況を整えました。

秋本先生は連載を抱えていて忙しいのに、よく本屋に行ったそうです。

毎回様々なテーマを扱う『こち亀』を40年間も描き続けていたので、いろいろなミニ知識や雑学が身につきました。いまはなんでも簡単にネットで調べられる時代ですが、パソコンがなかったころ、知識の源は雑誌と本だけ。調べ物のために、神保町の書店街にはよく通ったものです。

『秋本治の仕事術』より引用

また、仕事をしながらラジオを聞いて、インプットしていたとも書かれています。

私は秋本先生ほど、好奇心は強い方ではありません。

持っている知識・テクニックだけで、何とかやってしまおうと工夫してしまうがちです。

でも、入試システムや受験情報は常に更新され、私自身もアップデートしていかなければなりません。

レジェンド秋本先生ですら、インプットを意識的に続けています

私も意識的にインプットしようとあらためて思っております。

まとめ:『秋本治の仕事術』「こち亀」40年間休載しなかった秘密!【書評5】

1つ1つは何気ないことのようですが、それを40年間続けられるのがレジェンドたる所以でしょう。

しかも、それを偉そうに語らないところも、また魅力的です。

  • 有名人の仕事術を学んでみたい
  • 読みやすい本なら読んでみたい

という人におすすめです!

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